【離島ビール図鑑】完熟シークワーサーが香る「夏の日のセゾン」(沖縄県・久米島/Brewery Tumugi)

BEER DATA

夏の日のセゾン

  • 醸造元:Brewery Tumugi(沖縄県・久米島)
  • ビアスタイル:セゾン
  • アルコール度数:5.5%
  • 原材料:麦芽(ドイツ製造)、米、ホップ、シークワーサー皮、カラギナン
しま彦
しま彦

蒸し暑い夏の夕暮れに飲みたい!

ベルギー伝統のセゾンビールに、完熟シークワーサー「クガニ」を組み合わせた沖縄らしいビール。ホップには白ブドウの香りをもつ希少品種を採用。セゾン酵母由来の複雑な香味と相まって、爽やかさと飲み応えを兼ね備えた一杯に仕上がっています。

久米島のブルワリー「Brewery Tumugi」

沖縄本島・那覇から西へ約90km、東シナ海に浮かぶ久米島。エメラルドグリーンの海と白砂が続く「ハテの浜」は、訪れる人を天国のような絶景で迎えてくれます。

久米島「ハテの浜」| ©OCVB

そんな久米島に、2023年、クラフトビール醸造所「Brewery Tumugi(ブルワリー ツムギ)」が誕生しました。

Brewery Tumugi 外観

香りの秘密は完熟シークワーサー「クガニ」

Brewery Tumugiには、沖縄・久米島らしい素材を生かしたビールが揃っています。なかでも定番の一つが、今回ご紹介する「夏の日のセゾン」。最大の特徴は、完熟シークワーサー「クガニ」の皮を使っていることです。

完熟シークワーサー。果皮が黄金色に染まることから、現地では「クガニ(黄金)」と呼ばれる。(写真提供:Brewery Tumugi)

青いシークワーサーの皮は酸味と苦みが強いですが、完熟させてそれらを和らげることで、狙いとする爽やかな香りだけをビールに移すことができるそうです。「夏の日のセゾン」に使うのは果皮だけですが、残った果汁ははちみつを加えてジュースにしたり、ドレッシングに使ったりと、余すことなく活用されています。

一緒に味わいたい料理

「夏の日のセゾン」に合わせたい料理は、ずばりポテトサラダです。大地やスパイスを思わせるセゾン特有の複雑な香味は根菜類と好相性。特にハーブやレモンを効かせた大人のポテトサラダと合わせれば、爽やかさが際立ちます。家庭でも作りやすい一品なので、ふるさと納税などで取り寄せて飲む際にはぜひお試しください。(→お取り寄せ情報はこちら

画像はイメージです | photoAC

そして、久米島を訪れたなら名産の車海老は外せません。Brewery Tumugiの醸造所併設ビアバーでは、チビ車海老(殻が柔らかくそのまま食べられる)の素揚げやピザが味わえます。夏の日のセゾンの爽やかさが、車海老の甘みをいっそう引き立ててくれるでしょう。

チビ車海老のピザ | 写真提供:Brewery Tumugi

紬のように。ビールがつむぐ愉快な縁。

屋号の「Tumugi」は、国の重要無形文化財に指定された伝統織物「久米島紬」に由来しています。紬を織るように丁寧に仕上げられたビールは、どれも個性豊かで美味しいです。

久米島紬 | ©OCVB

店主 兼 醸造家の島袋 陽子さんがビール造りに込めた想いや、開業までのドラマチックなエピソードは、当倶楽部の現地取材記事をご覧ください↓

夫・博人さんと二人三脚で営む併設のビアバーは、島人にも観光客にも親しまれる憩いの場です。久米島に流れるゆったりした時間を感じながら、この場所で生まれる「愉快な縁」を、ぜひ現地で味わってみてください。

島人と観光客で賑わう、醸造所併設のビアバー
この記事を書いた人
しま彦

離島ビール倶楽部を運営する、東京在住の離島旅ファンです。島を訪れたら、その島ならではのビールで乾杯したいというごく個人的な欲望から、離島のビールづくりに興味を持つようになりました。本業は観光業で、持続可能な離島観光のあり方を模索中です。

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