2023年5月1日(月)、僕たちは佐渡島の玄関口、両津港ターミナルへやってきました。

 

目的地はもちろん、t0ki brewery(トキブルワリー)です!

 

1歳児を連れているため長旅はできません。新潟市内にホテルを確保し、佐渡島へは日帰りの弾丸ツアー(※)です。まさにビールを飲むためだけに佐渡島に行ってきました!

 

(※)食に自然に文化に魅力満載の佐渡島を日帰りするなんて島旅好きとして本来あるまじきことです。読者の皆さまにおかれましては、日程の許す限り連泊して佐渡島を満喫されることをお勧めします。3年半前に僕が佐渡島を観光した際のブログも参考になさってください↓

佐渡島の旅(2019年) その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7

 


 

両津港からt0ki breweryへの道のり

時刻は11:37。佐渡島の玄関口、両津港へ到着。本土側の新潟港から佐渡汽船のジェットフォイルで60分強の船旅でした。

 

両津港(A地点)から、t0ki brewery(B地点)までの道のりは下記のとおりです。加茂湖を回り込むようなルートです。

車やバスを使えば10分ほどの距離ですが、徒歩でも行けない距離ではありません。今回は、途中の道のりも楽しみたいので徒歩で向かうことにします!
 

 

大きな島の大きな湖「加茂湖」

佐渡島は巨大な離島です。どのくらい巨大かというと、島の中に山地(大佐渡山地)があるほどです。最高峰は金北山(1172m)で、山頂付近にはまだ雪が残っているのが見えました。

 

ずっと車道沿いを歩くのはつまらないので、となりの脇道に入ってみました。

路地の先に加茂湖の水面が見えます。

 

加茂湖は、新潟県内で最大、かつ、日本の離島の中でも最大の湖沼です。海とつながっている汽水湖で、牡蠣の養殖が盛んです。(→出典1 出典2

シーカヤックが楽しめたり、湖畔にお洒落スポットが出来たりと、最近注目が高まっているエリア(→出典)のようです。

 

「両津港から船で加茂湖を横断してt0ki breweryへビールを飲みに行けたりしたら最高だなぁ~」なんて妄想も膨らみました。また今度ゆっくり周遊してみたいです!

 

 

アクセスは車かバスがお勧め

さて、湖畔の穏やかな脇道から、交通量の多い車通りへ合流しました。この道がt0ki breweryに続く唯一の道なのですが、歩道が見当たらず絶望…!

 

よく見たら反対車線に歩道が続いていて一安心しましたが、ここは島の幹線道路らしく、大型車両がバンバン通っていきます。至近距離を通過するバスやダンプトラックに我が子は大興奮!

 

徒歩だとこんな感じなので、快適さを求めるなら車かバスの利用をお勧めします。」というバス停で下車すると便利ですよ。本数は1時間あたり1~2本(→時刻表)くらいあるようです。

 

ちなみにこの日、タクシーは各社とも出払っていて迎車を断られました。台数も限られるようなので、利用したい場合は事前予約しておいた方がよさそうです。

 

 
t0ki breweryに到着!

さて、幹線道路沿いを歩き続けていくと、右手方向に銀色の巨大タンクが3つ見えてきます。日本酒酒蔵「天領盃酒造」のタンクです。

 

この天領盃酒造の敷地内にt0ki breweryはあります。

※写真右が天領盃酒造の建物、中央がt0ki breweryです。

 

ついにやって来ました!念願のt0ki brewery!


 

温かみのある木目と開放的なガラスが印象的なエントランスです。

 

入って正面のロゴ。カッコいい!

t0kiの「0」は、「o(オー)」ではなく「0(ゼロ)」です。これには色んな意味が込められている(→詳細)そうですが、「0(ゼロ)」のデザインが朱鷺の姿にも見えて秀逸ですね!

 

開放的でお洒落なタップルームです。

 

ガラス越しに工房が丸見え!

 

タップハンドルは佐渡島の流木で手作りしたそう。

本日のラインナップは4種類ですが、全部IPA(India Pale Ale)系!こだわりを感じます。どれも隣の工房で自家醸造しています。

 

 

テラス席で乾杯!!

全部飲みたくて選べなかったので、ビアフライト(飲み比べができるテイスティングセット)をオーダーしました。外のテラス席でいただきます!

 

どれも美味しい!

さすがの美味しさです!!

 

…と感想が大雑把なのには事情がありまして。実はこのとき、はしゃぎ回っていた娘の手にトゲが刺さるハプニングがあり、応急措置でてんてこ舞いだったのです。細かいトゲなので結局抜くことが出来ず、オクサンのテンションは激下がり…。そんな妻子を目の前にして、一人で飲むビールの気まずさたるや…。笑

 

オクサンの冷たい視線を感じながら飲むという最悪のコンディション下だったので、詳細はメモできなかったのですが、どれも美味しいかったことだけは覚えています!さすがt0ki breweryのビールの品質は間違いないです!

 

 
工房内を見学させていただきました

「慌てたところでトゲは抜けないし、娘も全然元気にしているし、今は目の前のビールを楽しもうぜ~!」と内心思っても、絶対にオクサンには言えません。火に油です。笑

 

しかし、佐渡島まできて、たったこれだけで帰るのは無念すぎる…!

せめてもう一杯飲み直したい…!

 

そんな心の叫びが通じたのか、オーナーブルワーの藤原敬弘さんが新作のHAZY IPAを注ぎに来てくれました!これは嬉しい!しかもメッチャ美味い!!

僕のテンションは一気に急上昇!(^^)

 

しかも工房内も見せてくれるというので、喜んで見学させていただきました!

(注:醸造所内は厳しく衛生管理がなされており、通常は内部の見学を受け付けていません。今回は特別に、事前レクチャーを受けた上で取材を許可いただきました。)

 

いまは麦汁作りの真っ最中。

 

藤原さんは北海道出身のITエンジニアだそうです。

僕は細かい技術のことは分かりませんが、製造管理をすごくロジカル&ストイックに実行されている印象を受けました。IT技術を学びに訪れたアメリカ西海岸のシリコンバレーでクラフトビールを飲んだことをきっかけに「自分でも造ってみたい」と思うようになったという藤原さん。ビールへの情熱は人一倍です。

 

この小さいタンクは試作醸造用。「そのトキにしか味わえないビール」をコンセプトに、あえて定番を作らず常に新しいビールを作り続けるt0ki breweryにとって重要なアイテムです。

定番を作らないといっても、何でもかんでも手を広げるのではなく、アメリカンスタイルのクラフトビール(IPA)にこだわって醸造しているそう。理由は、藤原さん自身が好きなビアスタイルだから。一貫した信念とビール愛を感じます。

 

「佐渡島で世界に通用するクラフトビールを造る」という言葉からも、藤原さんの高い志が感じられました。

 

 

北国の島のブルワリーらしいエピソードも

2023年5月現在、t0ki breweryは日本最北端の離島ブルワリー(※離島びーる倶楽部調べ)です。冬になれば雪見ビールを楽しむチャンスもあります。

 

冬の時期は観光客も少なくなり、タップルームは佐渡島島民のお客さんが中心になるそう。持ち込みで鍋パーティーをしながらビールを楽しむ人もいるそうです。

 

話題性を狙った観光客向けブルワリーではなく、しっかりと島に根付き、島の人々から愛されているブルワリーなのだと感じました。これからも美味しいビールを佐渡から発信し続けて欲しいです!

 

ちなみに、t0ki breweryを中心とする佐渡島の美味しい店が集まって「トキと酒」というフードイベントが島内外で不定期開催されています。開催情報はt0ki breweryの公式インスタグラムを要チェック!

※上記は2022年10月に東京で開催した時の画像です。(画像提供:t0ki brewery)

 

帰りのカーフェリーで船旅気分を満喫

さて今回は弾丸日帰りツアーのため、両津港16:05発のカーフェリーで新潟へと帰ります。

 

行きのジェットフォイルとは違って大きなカーフェリーなので船内探索が楽しいです。

 

後方のデッキでは、ウミネコに餌をやっている人がいました。たくさんのウミネコが餌目当てに船を追いかけ続けていました。

 

フェリーの片道所要時間は約2時間30分。ジェットフォイルのようにシートベルトに縛られることもなく、程よい時間の船旅が楽しめるので、行きか帰りのどちらかはカーフェリーの利用をおすすめします。

 

楽しい船内で子供もはしゃぎ疲れてぐっすり。

ちなみに後日談ですが、手に刺さったトゲは翌日東京に帰ってからお医者さんに抜いてもらいました。

 

今回は想定外のハプニングにより、ビールを落ち着いて味わえなかったのが心残りです。そもそもハプニングが無かったとしても佐渡島日帰りはもったいなさすぎます。「子供が大きくなったら必ず泊りで飲みに来るぞ~!」と固く心に決めたしま彦でありました。

 

ビールに限らず、佐渡島は魅力満載の大きな離島です!

なのにGW期間でも混み過ぎなくて快適でした。旅行地としてかなりお勧めです。

3年半前に僕が佐渡島を観光した際のブログも参考になさってください↓

佐渡島の旅(2019年) その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7

 

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