2024年2月に、沖縄の久米島にビールを飲みに行った旅の記録。

第2回目の今回は、久米島初のブルワリー「Brewery Tumugi」で楽しく乾杯した思い出を振り返ります!

 

ついにBrewery Tumugiに到着!

東京から約1600kmかけて、ついに「Brewery Tumugi」に到着!

 

店内はお洒落で心地いい空間!

カウンターとテーブルの両方あって色んなシーンで重宝しそうなお店です。

 

こちらが店主 兼 醸造長の島袋 陽子さん。

(写真提供:Brewery Tumugi)

 

そしてこちらは今夜の飲み相手になってくださる中原 剣さん。

島の反対側にあるもう一つのビールスポット「くめじまーるCafé」の社長さんです。

つまり今宵は、Brewery TumugiでくめじまーるCaféの方と飲む、という夢のような展開なのです!

例えるなら「ワールドシリーズをVIP席で観戦しながら上戸彩と会食する」くらい欲張りな時間。旅の序盤からこんな贅沢をしていいのでしょうか?幸せ過ぎて不安です!

 

 

ビールが美味い!料理も美味い!

タップ(生樽)で飲めるビールのラインナップは日々変わります。

本日は以下の5種類。

①トロピカルエール ネクスト

②夏の日のセゾン

③イリフィ(入り日)エール

④マンゴーセゾン

⑤黒糖ポーター

 

まずは看板ビールの「トロピカルエール ネクスト」を注いでいただきました。

久米島産パッションフルーツを使用したHAZY IPAです。

パッションフルーツらしいトロピカルな香りと爽やかな酸味!

1600kmの移動で乾ききった身体に染み渡ります…!たまらん…!

(あっという間に飲んでしまったのでアップの写真はありません)

 

その後も順番に飲んでいき、5種類を全制覇!ぜんぶ美味い!!

※定番ビールの説明は公式ページをご覧ください。

 

実はこちらに訪れる直前に、瓶ビールをふるさと納税経由で取り寄せて飲んでいたのですが、やっぱり現地で飲むビールは格別ですね!
さらに言えば、同じ瓶ビールでの比較でも、1年前(開業直後)の瓶ビールより更に進化して美味しく感じました!

つまり、いま現地で飲むBrewery Tumugiのビールは超美味しいです!

すでに瓶で飲んだよという方も、一度現地に飲みに来てください!


「クリームチーズの久米島産みそ漬け」などフードメニューも充実しています。

どれもビールとの相性抜群!

 

 

開業エピソードを伺いました

美味しいビールと料理のおかげでどんどん楽しくなってきました!

 

忙しい接客の合間、陽子さんが開業までのエピソードを色々お話してくれました。

 

陽子さんは茨城県出身。美大生時代にリゾートバイトで久米島を訪れたことがきっかけで移住を決意。移住直後は島の居酒屋で働きながら、「久米島紬」の織り子の養成講座に通って伝統の織り方を学びました。

その後は久米島町役場に就職して忙しく働く日々でした。特にコロナ禍ではワクチン接種の担当者になり、人員も情報も不足する中で連日の残業&プレッシャーで精神的に相当追い詰められたそう。「何も楽しいと思えず、闇の中を歩くような日々でした。」と陽子さんは振り返ります。

 

そんな中、自宅の冷蔵庫にあったクラフトビールを飲み、その美味しさに感動し、久しぶりに心が動いたそう。「私も誰かを元気にできるようなビールを作りたい」と強く思ったことが、ビール醸造家に転身するきっかけとなったそうです。

 

そこから開業に至るまでは試練の連続でした。

せっかく購入した外国製タンクが那覇港の通関で1か月以上足止めされるトラブルも。

なんとか解決し、タンクが届いた時は嬉しくて泣いたそうです。

通関トラブル解決のために全部品を分解している様子(写真提供:Brewery Tumugi)

 

そしてついに2023年1月に酒造免許が下り、久米島初のビール醸造所「Brewery Tumugi」が誕生しました。二人のお子さんを育てながら、夫の博人さんと共に経営をされています。

※写真提供:Brewery Tumugi

 

困難を跳ねのけて、想いを形にした陽子さんの行動力と情熱に、心からの敬意を表して!乾杯!

 

 

島民に愛される地ビール屋さん

酔い覚ましのため、ちょっと店の外に出てみました。

慣れない土地での夜は不安なものですが、ビアバーの灯りがあるとホッとします。

 

ちなみに建物の奥に行くと、ガラス越しに工房の様子が覗けます。

ここでビールが醸されていると想像するとワクワクします!


ところで今夜は土曜とはいえ、オフシーズンの2月です。

でも店内は満席で大賑わい!

この時期は観光客が少なく、お客さんの大半は島民だそうです。

島民同士のちょっとした会合の場として、お洒落なビアバーが人気とのこと。

一杯600円というクラフトビールにしては安めの価格設定なのも、島の人に気軽に飲んでもらいたいからだそうです。

島民に愛される地ビール屋さん。まさに離島ブルワリーの理想形だと感じました。


途中から夫の博人さんもやってきて、店内はより一層賑やかに!

皆さんのおかげで、初めて久米島に来たとは思えないくらい、楽しく濃い時間を過ごすことができました。

まさに「ビールがつむぐ愉快な縁」に感謝です!

中原さんもお付き合いいただきありがとうございました!(中原さんのお話は、次回以降のくめじまーるCafé編で詳しくご紹介します。)

 

 

久米島らしさ満点のビール

さて、時刻は22時。

18時から飲み続けてますが、まだ帰りたくなくてカウンターに移動させていただきました。

 

「久米島には面白い素材が色々あるんですよ」と博人さん。

一例として、島胡椒(正式名称はヒハツモドキ。久米島では「ピパーツ」の名で親しまれている。)を教えてくれました。

 

シナモンに似た独特の甘い香りが特徴で、通常の胡椒と同様に料理に使われていますが、実はビールとも相性がいいのだとか。試しにビールにふりかけてもらいました。

※正直に告白しますと、この時の僕は酔い過ぎていて香りが全く分かりませんでした…笑 こんど改めて試してみたいと思います!

 

Brewery Tumugiでは昨年、この島胡椒を使ったセゾンビール「島胡椒セゾン」を限定醸造していたそうです。再販されたら飲んでみたいな~

 

月桃(ゲットウ)の葉って見たことありますか?」と、外から大きな葉をちぎってきてくれた博人さん。

少し揉んで嗅いでみると、ショウガに似たような爽やかなハーブのいい香りがします。この香りを活かした月桃のビールも計画中とのこと。楽しみです!

 

ちなみに後日談ですが、先日開催されたジャパン・グレートビア・アワーズ2024にて、久米島のヤブニッケイの木を使用したビールが銀賞を受賞したそうです!(どんな味がするんだろう?飲んでみたい~)

 

このように、久米島らしさ満点のビールが今後も生み出されていくことでしょう。非常に楽しみですね!

ちなみにBrewery Tumugiの美味しさの秘密は、こうした副原料だけでなく、すべての基本である「水」とも関連があるようです。次回(次々回?)はその秘密にも迫りたいと思います。引き続きご期待ください!

 

離島のクラフトビール専門のファンサイト
離島ビール倶楽部 https://islandbeer.net

・全国の離島のクラフトビール情報を配信中!
全国離島ビールMAPも随時更新中!
情報提供&取材協力をお願いします!