長崎県・壱岐島のブルワリー「ISLAND BREWERY」を訪ねた2泊3日の旅の記録です。(→前回記事)
今回は2日目の前半を振り返ります。(現地訪問日:2025年2月)
朝の勝本浦をぶらり
壱岐島、2日目の朝。昨夜は真っ暗で気づきませんでしたが、目の前は海でした!

穏やかな港には、放電灯をぶら下げたイカ釣り漁船がたくさん停泊しています。

商店街の一角では朝市が開かれていました。毎朝8時頃から11時頃まで、干物や海産加工品などが売られています。江戸時代から続く歴史ある朝市だそうです。

かつては商店街の路面まで売り場が広がり、多くの人でにぎわっていた勝本朝市。今では往時の活気は影をひそめつつありますが、人のつながりと温かみを感じられる場として、今も受け継がれています。

そんな勝本浦商店街に佇むISLAND BREWERY。時刻は朝10時台ですが、すでに開店していて、早くもビールを飲んでいるお客さんもいました!

僕も店内で飲もうかとも考えましたが、今回は瓶ビールをテイクアウトすることにしました。ISLAND BREWERYのビールを持ち込んで飲んでみたい場所があるからです。その場所とは…?
辰ノ島で至福の“無人島ビール”!
ISLAND BREWERYから徒歩10分弱。「辰の島遊覧渡船のりば」にやってきました。

辰ノ島(辰の島)は、壱岐島の北端に浮かぶ無人島です。勝本浦の港から遊覧船で渡ることができます。

ホームページの記載を見る限り、冬場の運航はなさそうでしたが、電話で確認してみたところ、当日に希望者が2人以上集まれば運航するとのこと。この日は三連休で観光客もそこそこいたため、めでたく出航となりました!

気さくな船員のおっちゃんが、辰ノ島の見どころを教えてくれました。期待が高まります。

船の上からスマホで撮った映像。薄曇りの天気でもこの透明度!美しすぎる!
船上の遊覧だけで戻ることもできるし、辰ノ島に上陸(次の便で迎えに来てくれる)することもできます。僕は当然、上陸オプションを選択しました。

だんだん天気も晴れてきて、海が輝いてきました!

ここで先ほどテイクアウトしてきたISLAND BREWERY「GOLDEN ALE」を開栓!
「透明度が高く海底が透けて見える爽やかな壱岐の海をイメージ」したというラベルの世界が、まさに目の前に広がっています。最高すぎる……!
聞こえるのは波の音だけ。至福の“無人島ビール”です。

辰ノ島には、「日本の快水浴場百選」に選出された海水浴場もあります。今度は夏に来てみたい!

原田さんの地元「勝本浦」への強い思い
時刻はちょうど12時。勝本浦に戻ってきました。
これからISLAND BREWERYの原田さんと一緒に昼食です♪

向かったのは、ISLAND BREWERYのすぐ近くにある食堂。

カツ丼と刺身がセットになったスペシャル定食をいただきます!すごいボリューム!

地魚の刺身はもちろん、カツ丼が絶品!少し甘めで、つゆがしっかり染みた“汁だく”の味わいがたまりません。原田さんも「壱岐のカツ丼は他のどこよりもおいしいと思います」と誇らしげでした。

食事の最中、原田さんとお店の人との自然な会話が耳に入ります。「こんど瓶詰め作業をするけん、〇〇君にまたアルバイトに来てもらわんといかんばい」――みたいな会話を、もっとコテコテの勝本弁(リスニングが難しい!)で交わす原田さん。島で育った人ならではの、地元との強い結びつきが垣間見られました。
原田さんの勝本浦への思いは、ISLAND BREWERYのロゴにも表れています。モチーフはイカ釣り漁船の放電灯。「夜の海を照らす光のように、町を照らし、島を盛り上げる場所になりたい」という創業理念が込められているそうです。

それは単なるキャッチフレーズではありません。事実、ISLAND BREWERYは365日無休、10時から22時までタップルームを開け続けています。「勝本浦に来てくれた人をがっかりさせたくない。朝でも夜でも楽しめる場所を提供したい。」――その思いを日々の営みに落とし込み、体現し続ける原田さんとスタッフの皆さん。その姿勢に、敬意がこみ上げます。

ちなみにISLAND BREWERYでは現在、正社員を募集中です。社宅の紹介など、移住希望者へのサポートも手厚いとのこと。理念に共感した方、島暮らしに興味がある方は、採用情報をぜひチェックしてみてください↓
美しい港町を散策
カツ丼で満腹になったお腹を落ち着かせるべく、勝本浦を散策してみることにしました。この港町は、海と山に挟まれた地形の中に、ぎゅっと暮らしが詰まっています。

商店街から一本、細い路地に入ると、急な石段の坂道に。運動不足の体にはなかなか堪えます。

とはいえちょっと登るだけで、こんな美しい景色が広がります。映画のワンシーンのように美しい!

自転車で湯本温泉へ
まだ日が高いので、電動アシスト自転車を借りて勝本浦を飛び出すことにしました。

自転車で約30分。潮風を感じながら走っていくと、湯本温泉(湯ノ本温泉)に到着です。

泉質はナトリウム-塩化物温泉。鉄分と塩分を豊富に含み、源泉69℃。赤褐色のにごり湯が特徴で、見た目からして効能が高そうなお湯です。

計14軒の多彩な温泉施設が集まっている温泉郷で、日帰り入浴の選択肢も豊富。今回は、その中でも歴史ある平山旅館さんでひと風呂いただきます。

平山旅館の源泉は、湯本温泉の中でも特に古いとされ、「奥壱岐の千年湯」と呼ばれています。泉質はもちろん、木の温もりが感じられる落ち着いた空間で、素晴らしく気持ちの良いひと時でした。
そして注目すべきは、風呂上りにISLAND BREWERYの生ビールが楽しめるという点。今回は帰りが自転車なので我慢しましたが、次こそはここに泊まり、温泉とビールを存分に味わいたい…!

さて、日が暮れる前に勝本浦へ戻ります。
今夜はついにISLAND BREWERYのタップルームでビールを飲むのです。
それだけでも胸が高鳴りますが、実は他にも勝本浦で楽しみにしていることがありまして……続きは次回をお楽しみに!



