瀬戸内海に浮かぶ小さな離島・六島にあるマイクロブルワリー「六島浜醸造所」のビール作りに密着取材!

今回は麦汁のろ過~ホップを添加するまでの様子をダイジェスト版でお送りします!

 

 

 

麦汁のろ過

さて、写真奥の鍋には糖化を終えた麦汁(前回記事参照)が出来上がっています。

これを「ろ過」しながら、手前の鍋にポンプで移していきます。

 

奥の鍋の内側にはこのような網が沈められており、その下の蛇口から麦汁を取り出します。すると、この網の上に堆積した麦芽自体がろ過材になり、澄んだ麦汁が取り出せるのです。

※写真は網を歯ブラシで掃除しているところ。この掃除だけでも結構大変な作業です。

 

網から漏れた麦芽カスは、ホースの先に取り付けたネットで防ぎます。

こうして一回目のろ過で得られた麦汁のことを「第一麦汁(一番麦汁)」と呼びます。

第一麦汁には渋みが少なく、上品ですっきりしているという特長があります。

第一麦汁のみを使っているビールとしてはキリン「一番搾り」が有名ですよね。

 

確かに「一番搾り」は美味しいのですが、必ずしも第一麦汁だけ使うのがベストとは限りません。多くのビールがそうであるように、「六島麦のはじまり」では、残った麦芽にお湯をかけて第二麦汁(二番麦汁)を抽出しています。

 

残った麦芽には旨味成分がたくさん含まれており、これを上手に抽出すると仕上がりのビールに深いコクが生まれます。(渋みの元になるタンニンも溶け出しやすくなるので加減が重要!)

 

こうして大鍋いっぱいの麦汁が出来上がりました!

 

 

麦芽の搾りかすの行方は?

エキス分を抽出し尽くした麦芽の搾りかすは、ザルですくってバケツに詰めていきます。

 

バケツ6杯弱の量になりました。(これも地味に重労働です。)

この搾りかすは、畑の肥料として活用しているそうです。

先日の記事でも少しご紹介しましたが、かつて六島には麦畑があったそうで、井関さんはその復活をめざして自ら麦を育てています。(参考:井関さんのブログ

 

 

六島の麦畑への想い

麦を育てている…とさらっと書きましたが、これってものすごいことですよ。

手間とコストを考えたら絶対割に合いません。

 

麦栽培の壮絶さを笑顔で語る井関さんは、完全にクレイジージャーニー!

「昔を知っているお年寄りからは『麦畑なんか大変だからやめて豆を育てなさい』と反対されました。機械を導入できない六島において脱穀は手作業で行います。実際の作業は想像以上に大変だったけれど、その大変さを共有したことで、島のお年寄りとより深く分かり合えた気がします。」と話す井関さん。

手間とかコストとかを超越した、六島への深い愛情が伝わってきました。

 

今回は季節外れだったので麦畑の見学はできませんでしたが、今秋開催の「六島オクトーバーフェスト」に向けてまた育てるそうです。

六島産の麦を使った、正真正銘の六島ビール!

今から楽しみですね!

 

 

麦汁の煮沸とホップ投入!

先ほど抽出した麦汁を煮沸しながら、ホップを投入していきます。

茶色の出汁袋の中にはホップが入っています。ティーバックの要領ですね。

ホップの役割は大きく分けて「苦み」と「香り」。どちらもビールの味を決める重要な要素です。

長く煮出すほどに苦みが良く出てきますが、香りが飛んでしまいます。

「六島麦のはじまり」では3種類のホップを使用し、それぞれの特長に応じたタイミングで段階的に投入することで、最適な苦みと香りを実現しています。

 

加熱することで余分なタンパク質が凝集し、だいぶ澄んだ液体になってきました!

 

 

 

 

一定時間ホップを煮出したら、最後はエキスを手で絞り出します。

ゴム手袋しているとはいえ超熱そう…。

 

これで「ビールの原液」が完成しました!

今回ご紹介した工程には、もっと色々なノウハウが詰まっているのですが、細かく書き出すと長くなり過ぎるので割愛しました。

後で、秘密のレシピデータを見せてもらったのですが、その緻密さに感服…!

井関さんは行動派なだけでなく、理論派でもあるんだなぁ…。

六島ビールの美味しさは、確かな理論により裏打ちされていることを思い知らされました。

 

さて、いよいよ次回は仕込みのフィナーレ!

醸造タンクに移して酵母を投入します。お楽しみに!(次の記事へ

 

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