興居島(愛媛県松山市)での最高に心地よい離島ビール体験を振り返る旅行記。今回は、いよいよごごしまビアファームの内部にお邪魔します!(訪問日:2023年3月4日)

前編はこちら 

 

 

古民家を改装した素敵空間

真っ白な暖簾をくぐった先には…

 

素敵な中庭と立派な古民家がありました!こちらがごごしまビアファームです!

 

築150年の古民家を改装したという店内は、太くて立派な梁が印象的です。

 

右を向くと、ガラス越しに工房の中が覗けます。


工房内の天井にも古民家の造りが残されています。木の温もりとステンレスタンクの輝きの対比がカッコいいですね!

3基ある醸造タンクの中では、記念すべき初仕込みビール(3種類)が発酵中でした。どのタンクも2層構造になっていて、間に断熱材と冷却液が通るコイルが挟まっているそう。室温によらず温度を自在にコントロールできるので、色んな種類のビールを同時に仕込むことができるそうです。

 

 

美味しい離島ビールで乾杯!

訪問当時(2023年3月4日)はプレオープン期間だったため、委託醸造(同じ松山市内のDD4D BREWING)で作ったオリジナルビールを樽から注いでいただきました。

 

中庭を眺めながら乾杯!

左が「ごごしま青みかんSESSION IPA」、右が「ごごしま青みかんHAZY IPA」です。

この空間へのこだわりといい、グラスの美しさといい・・・。

もう皆さまお気づきですね?味は当然に美味しいです!!!

 

いや~~~久しぶりに離島でビールを飲みましたが最高です!最近は車の運転のため現地で飲めていませんでしたので、電車と船で簡単にアクセスできるこの立地は本当に貴重です。

 

古民家の良さを最大限活かした店内には、ゆったりとしたBGMが流れ、洗練されつつも温かみのある空間になっています。並々ならぬセンスの良さを感じますが、オーナーさんはいったい何者なんでしょうか?

 

 

「ビアファーム」という屋号に込めた想い

こちらがオーナーブルワーの南雲信希さん(43歳)です。

 

南雲さんは神奈川県出身。コロナ禍を契機に、横浜で経営していた和食料理店(お酒はビールと日本酒を提供)を他の人に譲り、興居島でブルワリーを開業するために家族ぐるみで移住してきました。

 

直島にある親戚の家に幼い頃よく遊びに行っていたため、瀬戸内海の島が原風景だという南雲さん。移住先として瀬戸内海の島に狙いを定め、島の人に歓迎される事業としてブルワリー経営を思いついたそう。


「島に移住したい→島内の既存事業と競合せず、むしろパートナーとして歓迎される事業は何か?→ブルワリーがよさそう」という僕の発想の順番と似ていて、すごく共感しました。

 

南雲さんと僕の決定的な違いは、その発想を実際の行動に移したこと。幼いお子さんもいる中での移住&開業は相当な大決断だったはず。控え目で温厚な印象の南雲さんですが、内に秘めたエネルギーはものすごそうです!

 

屋号にBreweryやBrewingではなく「Beer Farm」を採用したのも、地元の農家と深く関わっていきたいという想いを込めたから。

例えばビールに使う「青みかん」は、興居島の柑橘農家さんが、熟す前に摘果(間引き)したみかん。酸っぱいので果実としては出荷できないけれど、香りが良いのでビールにアップサイクルしたら美味しく仕上がったそうです。農家も消費者もみんなが笑顔になれる素敵な循環ですね!

 

 
フィッシュアンドチップスが美味すぎる!

ごごしまビアファームの店内は、とにかく広々しています。

長いカウンターの奥には調理スペースがあり、料理人出身の南雲さんが腕を振るってくれます。

 

「食事は大したものが無いので…」と謙遜されていましたが、とんでもない!

天然真鯛のフィッシュ&チップス!完成度が高すぎます!!!

全てが美味しかったですが、真鯛のフライが特に絶品でした!

ポテトも地元産にこだわっており、芋の味が濃い!ビールにも当然よく合います!

 

 

広い古民家空間の今後の活用予定

テーブルが広々、通路も広々でゆったり。これは東京では真似できませんね。

南雲さんの柔らかい雰囲気も相まって、心の底からくつろげる空間です。

 

訪問時にはまだ使われていませんでしたが店の奥には広々した座敷があり、さらにその奥にも渡り廊下に続いて部屋があるとのこと。本当に立派な古民家です。

これらの部屋を活用して、将来的には1日1組限定の宿泊サービスも提供したいとのこと。いわば、離島ブルワリーのオーベルジュですね。実現したら是非泊まってみたいです!

 

 
また飲みに来たくなる心地よさ

すっかり気分が良くなって、取材なのに後半は僕の話ばっかりしてしまいました。笑

南雲さんは聞き上手です!

 

どんなに立派な古民家でも、お洒落な内装でも、それだけでは心地いい空間にはなりません。

ごごしまビアファームが心地よいのは、古民家の温かみと南雲さんの人柄が絶妙にマッチしているからだと思いました。

 

最高に心地よい離島ビール体験でした。また飲みに来たい!と心から思いながらお店を後にしました。

 

その後、2023年3月下旬に無事グランドオープンしたそうで、おめでとうございます!

自家醸造ビールたちも続々とリリースされており、現地タップルームまたは公式ECサイトから取り寄せて飲むことができます。個人的にHazyIPAが特に美味しかったです!

 

ごごしまビアファームについては、当倶楽部の紹介ページもご覧ください↓

 

後編へ続きます!

 

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